しこり

皮膚や皮膚の下にできるできもので、体のいたるところに生じる可能性があります。ここでは、特に頻度の高い「粉瘤」と「脂肪腫」をご紹介します。

粉瘤

粉瘤とは

皮膚の下に袋状の構造物ができ、その内部に垢(角質)や皮脂が溜まったものを言います。
顔、首、背中、耳の後ろにできやすく、しこりの中央に黒い点があり、強く圧迫すると臭くてドロドロした物質が出てくることがあります。
また、細菌に感染して化膿することがあり、赤く腫れて痛くなることがあります。

治療

化膿していない場合には、局所麻酔の手術によって切除することが根本的な治療になります。特にこれまでに何度も感染を繰り返している場合や、ある程度以上の大きさになっている場合は手術をお勧めします。
ただし良性の腫瘍ですので、必ずしも手術する必要はなく、ご本人と相談の上で決定することになります。
化膿している場合には、抗菌薬の内服を行います。炎症が強い場合には、表面をメスで切開して膿を出す処置が必要になることがあります。

脂肪腫

脂肪腫とは

脂肪細胞からできた良性腫瘍で、柔らかいしこりとして触れます。
痛みやかゆみなどの症状が出ることはほとんどありません。数年単位で徐々に大きくなっていくことが多いです。

治療

局所麻酔の手術によって切除することが根本的な治療になりますが、比較的小さく、症状がない場合には経過観察も可能です。
切除する場合には、手術可能な施設へご紹介します。
ただし直径5cm以上のものや、大きくなるペースが速いものは、脂肪腫ではない悪性腫瘍の可能性がありますので、詳しい検査が可能な施設へご紹介します。