アトピー性皮膚炎

乳児~成人に発症する慢性的な皮膚炎です。
生まれつき皮膚のバリア機能が弱く、そこに食物、ダニ、カビなどの様々な物質が刺激となったり、発汗、ストレスなどの要素が複雑に関与しあって、皮膚炎を起こします。
症状としては、皮膚が赤くなってブツブツができたり、乾燥してガサガサになったりします。かゆみによって引っ掻いていると、ジュクジュクしたりかさぶたになることもあります。
皮膚炎が慢性的に続くと、皮膚が硬くなりゴワゴワしてくることもあります。

治療

治療は「症状はないかあっても軽く、まれに悪化してもそれが持続しないこと」を目標とします。

  1. ステロイド外用薬を中心とした薬物療法により皮膚炎をしずめること
  2. 保湿剤を中心としたスキンケアや、悪化因子を取り除くことで皮膚炎を予防すること

この2つを並行して治療を進めていきます。
症状の程度や範囲によっては紫外線照射(ナローバンドUVB)をお勧めすることもあります。

日常生活での注意点

室内のダニ、カビはアトピーを悪化させます。部屋の掃除はこまめに行い、風通しを良くして、ホコリが溜まらない環境を整えましょう。
皮膚についた汗や汚れも症状を悪化させることがあります。入浴は毎日行うようにしましょう。可能であれば、汗をかいた運動後にもシャワーを浴びることが望ましいです。
熱いお風呂はかゆみを引き起こします。38~40℃のぬるめの温度に設定しましょう。タオルなどでゴシゴシこするのも悪化の原因になりますので、石鹸やボディソープを泡立てて優しく洗うようにしましょう。
入浴後は処方された塗り薬や保湿剤を塗ってください。
衣類は肌触りの良いものを選ぶようにしましょう。着た時にチクチクしたりゴワゴワするものは皮膚への刺激になることがあります。
爪を短く切っておくと、かいてしまった時のダメージを減らすことができます。
ストレスや睡眠不足も症状を悪化させます。規則正しい生活を心がけましょう。