白斑
白斑は皮膚が白くなる病気の総称です。
ヒトの皮膚の色は色素細胞(メラノサイト)から産生されるメラニン色素の量によって決まりますが、白斑ではこの色素細胞の量が生まれつき(先天性)、あるいは何らかの原因(後天性)で少なくなり発症します。
当院では主に白斑のうち、尋常性白斑についての診療を行っています。
尋常性白斑は自身の色素細胞を免疫細胞が敵と認識して攻撃してしまう、いわゆる自己免疫によって生じると考えられています。
治療
病気の原因である自己免疫を抑制するため、免疫抑制剤であるステロイド外用剤を使用します。あるいは、ビタミンD3製剤の外用により色素細胞からのメラニン色素産生を促します。
原則としてどちらかの外用剤と紫外線照射(ナローバンドUVB)の両方を行い、治療を行います。
また、全身に病気が出現する方については、全身の照射が必要となりますので、範囲によっては大学病院などの病院への紹介も検討させていただきます。
日常生活での注意点
日光を浴びることで白斑の色素細胞が活性化して色素が出現するとされていますが、白斑以外の正常な皮膚の方が日焼けしやすいため、可能であれば正常な皮膚へは日焼け止めを塗ることをお勧めします。
また、化粧品によって皮膚の色を隠すことが病気を悪化させることはほとんどありませんので、かぶれなどがなければ今まで通りに使用していただいて構いません。
さいごに
白斑は治療方法が限られており、治療を行っても色素が出現するまでに時間がかかる病気です。
患者さんの生活習慣に合わせた治療を選択し、無理のない通院を継続することが重要ですので、治療方法や通院頻度についてお気軽にご相談ください。